最近観た映画から-№28:2013.01.28-2013.05.30

久し振りの映画紹介です。今年に入ってから、映画を観る本数が妙に少なくなってしまい、今日の時点で1月1日から数えて38本という体たらく。これでは年間100本にも届かない可能性があるので、これから頑張らなきゃ…。ということで、今回のお薦めは6月1日公開の『はじまりのみち』。
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*画像はいずれも(C) 2013「はじまりのみち」製作委員会

1944(昭和19)年に若き木下惠介(加瀬亮)が4作目に監督した映画『陸軍』が、陸軍省からの依頼で「大東亜戦争3周年記念映画」として製作されたにも関わらず、政府の期待する戦意高揚の国策映画の趣旨にそわないとされ、次回作の製作を断念させられるところから始まり、嫌気のさした木下は政府の要求を受け入れた松竹に辞表を出し、実家のある浜松市気賀に帰ります。

実家では母親・たま(田中裕子)が脳溢血で倒れ、寝たままの生活を送っていたのですが、1945(昭和20)年の夏、戦局の悪化のため、やむなく母親を15里(60km)離れた山間の気田に疎開させることに。実家のある気賀自体も浜名湖の北の山地といって良い場所なのに、気田はさらに山奥。今の国道362号線に沿った場所です。

大八車に寝たままの母を乗せ、もう1台の大八車に身の回り品を乗せて、惠介は兄(ユースケ・サンタマリア)と臨時に雇った「便利屋」(濱田岳)とともに真夜中に出発し、山越えに向かいます。激しい雨も降り募る中、17時間も歩き通して、ようやく途中で澤田屋旅館にたどりつくことができます。
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そして、疎開先に落ち着いて数日した時、不自由な体をおして母が書いた手紙を読んだ惠介は、…といった展開です。実話に基づくのだそうですが、これまでアニメーション作品を手掛けてきた原恵一監督が、木下惠介の短いエッセイを基礎に、その後の木下作品をうまく途中のエピソードに組み込んで、とても優れた映画に仕立て上げています。
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加瀬亮も素晴らしいのですが、寝たきりの場面の多い田中裕子はかすかな動き・表情で見せる見事な演技。そして、出色は濱田岳。名前も定かでなく「便利屋」としか呼ばれないものの、結果として木下に大きな勇気を与える役で登場しますが、実に軽妙な演技でしっかりと存在感を示します。今年の日本アカデミー賞助演男優賞候補に1票。
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二十四の瞳』『喜びも悲しみも幾歳月』等とともに育った行者橋ですが、『陸軍』のくだりでは試写室でたっぷり涙を流しました。エンドクレジットで気田の宿屋・澤田屋旅館が現存することが分かるのですが、現在の家族の方々も写っておられました。エッセイでは気田のさらに奥の勝坂という場所が疎開先と示されていますが、もうすぐ長野県といった山の中です。

◆『はじまりのみち』(2013年・日本映画・96分・監督:原恵一・配給: 松竹 ・2013.06.01公開)

★2013.01.28-2013.05.30に観た映画一覧★
今回は省略。

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