『奇跡のひと マリーとマルグリット』を観て思い出すのは、やはりアン・バンクロフトです。

前回、公開のかなり前に映画を取り上げたので、少し反省して(笑)今回は公開直前の作品を。先月、秋篠宮紀子妃と佳子内親王もチャリティ試写をご覧になったとかで、チョッと話題になった、フランス映画『奇跡のひと マリーとマルグリット』をご紹介。
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*画像は(C)2014 - Escazal Films / France 3 Cinema - Rhone-Alpes Cinema

ポスターにも「19世紀末、フランスに実在した“もうひとつ”のヘレン・ケラー物語」とあるように、生まれながらに目が見えない(盲:もう)ことに加え、耳が聞こえない(聾:ろう)、その結果、しゃべることができない(唖:あ)という三重苦を抱えた少女・マリー・アルタン(原題;MARIE HEURTIN)が主人公の映画です。

行者橋の世代だと、三重苦と聞くとどうしてもヘレン・ケラーを思い出し、ヘレンケラーをパティ・デュークが、アン(アニー)・サリヴァン先生をアン・バンクロフトが演じた映画『奇跡の人』(1962年版)を思い出してしまいます。
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*画像は(C) Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

特にサングラスに黒い服で登場し、ヘレン・ケラー&その家族と激烈に対立しつつ指導を続けるアン・サリバン先生の印象は、中学生だった行者橋には強烈でした。ポンプで汲み出す水に触れ“water”と指文字を示し、言葉を発した場面は涙なくしては観られませんでした(実際には、指文字だけで喋ったのは後だったそうですが)。

ですが、まずは『奇跡のひと マリーとマルグリット』です。行者橋が映画倫理委員会(映倫)の年少者映画審議会でこの作品を観たのは、まだ正式タイトルが決まっていない昨年の12月のことでした。ただ、“きせきのひと”がつくらしいということで、「うーん、それはどうなんだろう」と感じたことを思い出します。

で、STORYは生まれながらに目も耳も不自由な少女・マリー(アリアーナ・リヴォアール)が、そうした少女たちを受け入れているラルネイ聖母学院に連れて来られるところから始まります。心を閉ざし、野生児のように振る舞うマリーの指導に名乗り出たのは、病弱な修道女マルグリット(イザベル・カレ)でした。

当然のように2人は対立しますが、献身的に愛情を持って接するマルグリットの努力の結果、8カ月目にマリーはついに物に名がある事を理解して言葉と学ぶ喜びを得、笑顔と生きる喜びを感じつつ日々を送ります。このあたりの過程は、基本的に『奇跡の人』と同じです。しかし、マルグリットは病に倒れ…という展開です。
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*画像は(C)2014 - Escazal Films / France 3 Cinema - Rhone-Alpes Cinema

主人公のマリーを演じたアリアーナ・リヴォアール自身も耳が不自由なのだそうですが、自分の指導と体調に不安を覚えながら、マリーに向き合って行くマルグリット役のイザベル・カレも穏やかに演じており、全体としては自然な流れが感じられました。監督のジャン=ピエール・アメリスの手腕というべきでしょう。

で、こうやって2作品を観て比較して感じるのは、アメリカとフランスという風土の違いもあるのでしょうが、“water”の場面も含め『奇跡の人』の方は随分と劇的な展開の“作り”だったなぁということです。元々が舞台の作品を映画化したということもあるのでしょうが…。何しろ、アン・バンクロフトが強烈!(笑)

そのアン・バンクロフトですが、行者橋が最も多く観た『卒業』でもインパクトのある役柄で登場し、シャーリー・マクレーンと丁々発止とやりあう『愛と喝采の日々』も楽しめました(下の画像参照 左:アン・バンクロフト、右:シャーリー・マクレーン)。行者橋最愛(笑)の女優さんジェーン・フォンダと共演した異色作『アグネス』も楽しめました。
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*画像は(C)20thCenturyFox/Photofest/ゲッティイメージズ

奇跡の人』も含めて演技派の印象の強い女優さんではあるのですが、『メル・ブルックスの大脱走』等では、意外や達者なコメディエンヌぶりを発揮しています。メル・ブルックス監督は実際の旦那さんですので、喜劇の感覚で通じるものがあったのでしょうか。10年前の6月6日に73歳で亡くなられたのが惜しまれます。

ということで、今回はご紹介した映画からズレてしまいましたが、最後にさらに蛇足を。アン・サリヴァン先生は自身も目が悪かったのでサングラスは必需品だったとか。映画公開当時、女性がサングラスを掛けるという習慣は、日本ではそうポピュラーでは無かったので、(そうした事情を知らず)とても印象深く感じたのかもしれません。

また、『奇跡の人』の原題“The Miracle Worker”は“奇跡を起こした人”の意味で、本来はアン・サリヴァン先生の業績を讃えたタイトルだったのですが、日本ではヘレン・ケラー自身を指すと(ほぼ)誤解されていますね。行者橋思うに、アン・サリヴァン先生もヘレン・ケラーも“The Miracle Worker”ですが。

◆『奇跡のひと マリーとマルグリット』(2014年・フランス映画・94分・監督:ジャン=ピエール・アメリス・配給: スターサンズ・ドマ・2015.06.06公開)
◆『奇跡の人(1962年版)』(1962年・アメリカ映画・106分・監督:アーサー・ペン・配給: 東宝東和・1963.10.26公開済)
その他は略
〔最近観た映画から-№40〕

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