W.M.ヴォーリズの忘れ形見@大丸京都店:京都の近代建築№35。

ウイリアム・メレル・ヴォーリズ(以下、ヴォーリズ)が手掛けた京都の近代建築については、以前にもいくつかご紹介しましたが、今回は大丸京都店にわずかにその片鱗が残っている様子を。まずは、「ヴォーリズ飾灯具」の画像から。
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大丸京都店の正面玄関は四条通に面していますが、飾灯具は高倉通に面した東壁面にある地下からの出入り口(今は出口専用のようです)の階段室の一角に展示されています。次の画像右がその出入り口。
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上の階段室こそヴォーリズの忘れ形見と言うべきゾーンです。次の画像は、飾灯具を背中にして階段室を撮影したもの。ギザギザした独特の山型アーチの照明部分が美しい!
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この山型は、2枚目の画像左端の人物が写っているすぐ右横の通路でも見られますので、最後に触れます。上の画像の正面には正方形を2つ組み合わせた「八芒星(はちぼうせい:オクタグラム)」が。ギザギザ山型アーチを含む枠に囲まれています。
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正八芒星
には円周を8等分し、3個隣の点どうしを繋いだトゲトゲした図形ですが、このヴォーリズの八芒星はチョッと落ち着いた印象を受けます。そしてこちらも。
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下る方向で見ると、右手上方にある透かし模様がとても美しい大きな八芒星です。その向かいには同じデザインの八芒星の照明が並んでいます。
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その下の正方形が組み合わさったデザインもシンプルながら綺麗です。そして、天井を見上げるとそこにも八芒星がまるで絨毯のように。
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ということで、階段の下から八芒星が取り込まれた飾灯具のある上部を見上げるとこういう光景が。いやぁ、この空間は放蕩に美しい!
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ヴォ―リズは1928(昭和3)年に大丸京都店の増築時に設計を担当し、鉄筋コンクリート・6階建ての建物にり、その2階バルコニーに飾灯具が設置されていたそうです(*参照)。
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1964(昭和39)年と2014(平成26)年の大規模な改修の結果、今回の「高倉地下階段」にしかヴォーリズの面影を残す遺構は存在しないようですが、先に触れた通路の話を。
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この通路のデザインは後の改修時に造られたようです(詳細不明)が、ギザギザ山型アーチが取り入れられた通路が四条通と並行して続いています。
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行者橋、時々、四条通の歩道では無くわざわざこの細い通路を歩いて、次々と現れる新しいギザギザ山型アーチにヴォーリズ建築の美しさを感じたりしています。

:1717(享保2)年、下村彦右衛門正啓が京都伏見に古着商「大文字屋」を開業した大丸の創業。1736(元文元)年、東洞院押小路船屋町に「大丸総本店」を構える。その後、1912(明治45)年に現在地の四条高倉にデパートメントストア形式・鉄骨木造3階建ての「京都大丸」を開店。が、その店舗が1921(大正10)年に火災で全焼。その半年後、今日の大丸京都店へと発展する鉄筋コンクリート造3階建ての店舗が竣工。さらに、1926(大正15)年に4階建ての東館が竣工。1928(昭和3)年にはヴォーリズが関わり、東西館とも6階建てとなりました。

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