先斗町歌舞練場:京都の近代建築№09。

先斗町(ぽんとちょう)は、鴨川と木屋町の間の細長い通りですが、四条通から三条通の1筋南までの短い通りです。その三条通側の北端に先斗町歌舞練場があります。先斗町の舞妓・芸妓さんのお稽古場で、5月に行われる「鴨川をどり」の会場です。最初は鴨川側から見た建物の全景です。
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左3分の1と右3分の2の共通項は無論あるのですが、窓の形1つとってみても、左は8角形・右は6角形ですし、屋根等も違いますので印象が微妙に異なる感じも残ります。次の画像は木屋町側から見た外観です。
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細かな所を見てみると、様々な特徴のあることが分かります。次の画像の6角形の窓は鴨川側の窓と同じですが、外壁の上3分の2は“スクラッチタイル”と呼ばれる細い引っ掻き模様のついたタイルです。下の画像だと、少し分かりにくいかもしれません。
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“スクラッチタイル”は、1923(大正12)年に竣工した旧・帝国ホテル(現在は愛知県明治村に保存されています)の外壁にフランク・ロイド・ライトが使用して以来、昭和初期に大流行した建築業界ではとても有名なタイルです。外壁の下3分の1は次の画像のようなものです。
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これは日本の蔵等に使われてきた“なまこ壁”と同じです。四角い瓦の継ぎ目に漆喰(しっくい)を蒲鉾形に盛り上げていく手法ですが、瓦の代わりにタイルを使っています。それにしても不思議な草模様のタイルです。次の画像は、本来はどのように使われたのかが不明な扉です。
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扉の中や周辺のデザインも独特な不思議差を持っています。屋根は和風ですが、鬼瓦は舞楽の「蘭陵王」(こちらをご参照下さい)の面です。
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面の両側の丸い部分は、鼓ですね。屋根の端も円形・6角形が交互に並んでいますが、面白いなぁと思います。鴨川側から屋根を遠望すると、「蘭陵王」の様子が明確になります。
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先斗町側の外壁に1つ、ライトが付いているのですが、ここには先斗町のマークである千鳥がデザインされていました。
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最後の2枚は先斗町の道路から見た正面の様子です。
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上の画像の左には「先斗町お茶屋営業組合・先斗町芸妓組合・先斗町歌舞會・鴨川学園」の看板が掛かっていました。
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この先斗町歌舞練場は大林組の技師・木村得三郎という人が設計したそうですが、1925(大正14)年に着工し1927(昭和2)年に竣工した、地上4階・地下1階の鉄筋コンクリート造りの建物です。木村得三郎は劇場建築を得意としたらしいのですが、彼の設計した建物として、京都ではこの他に花見小路にある祇園甲部歌舞練場北の弥栄会館があります。これまた不思議な感覚の建物です。機会をみてUPしたいと思っています。

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