京都ハリストス正教会 生神女福音聖堂:京都の近代建築№17。

京都御苑に向かう時、御池通あたりから柳馬場通(やなぎのばんばどおり)を北上し、二条通を過ぎると右側に薄青のペンキが印象的で素敵な形の板張りの教会が見えてきます。
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次は「京都ハリストス教会」の看板のある正面の門から見た画像ですが、細身の建物が青空に映えます。入口脇に立てられた説明板によると、正式名を「京都ハリストス正教会 生神女福音聖堂」というそうです。
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“ハリストス”は「キリスト」のことだとは知っていましたが、“生神女:しょうしんじょ”は「神を生んだ女性=聖母マリア」の意味だということは、今回、その言葉を含めて初めて知りました。尖塔の先の独特の形の十字架(八端十字架というそうです)がハリストス正教会であることを示しています。
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この生神女福音聖堂は正教会の京都聖堂として1901(明治34)年12月に完成したのですが、設計者は京都府の技師だった松室重光(まつむろ しげみつ)です。中に入ることはできなかったのですが、玄関の造型も洒落ています。
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次の画像は奥の部分も含めた少し横から撮影したものですが、上から見ると十字架になっているそうです。
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横に広がった所が聖所ですが、そこには至聖所との間にロシア正教会から贈られた油彩のイコン=聖像30枚が嵌め込まれた“聖障”があるそうです。
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前述のように建物は1901年12月に完成しましたが、ロシアから“聖障”や鐘・大燈明等が届くのが遅れたために、聖堂成聖式は1903(明治36)年5月だったそうです。時代を感じさせるエピソードですが、日露戦争の前年ですので、タイミングが悪ければ更に遅れたかもしれません。後ろの尖塔の造型のいかにも正教会という雰囲気です。
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建築様式はロシア・ビザンチン様式だそうで、最大幅15m・奥行27m・総高 22mとのこと。日本ハリストス正教会の本格的な聖堂としては現存最古の遺構で、1986(昭和61)年に京都市指定有形文化財に指定されています。
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均整がとれたスッキリしたこの教会は、和風建築の多い京都では異色ではありますが、板張り・平屋ということもあってか、街中にピッタリと納まっています。なお、松室重光は京都府庁舎旧本館(こちらをご参照下さい)・武徳殿を京都に残しています。

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