黒田辰秋の漆と螺鈿の作品を楽しむ:その③。

美術館「ZENBI-鍵善良房-」(以下、「ZENBI」)の開館記念特別展『黒田辰秋と鍵善良房-結ばれた美への約束』(既に終了)の第3弾は展示室3(テーマは菓子を彩る器」)の作品群のご紹介ですが、最初はテーマに相応しい「螺鈿くずきり用器『鍵紋』」(1932=昭和7年)でしょう(笑)。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (49)くずきり用器.JPG


で、次は「朱漆箱膳」(1932頃=昭和7年頃)。江戸時代以来、卓袱台が登場する大正から昭和初期あたりまで日本の家庭では広く使われた1人用のお膳ですね。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (41)朱漆箱膳.JPG
中にお茶碗・お箸等を納めておく、正座が基本の生活様式の時代ならではの食器です。続いては「くずきり用器岡持ち」(1932=昭和7年)。出前用の道具ですね。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (43)岡持ち.JPG
最初の画像の器に葛切りを入れて、お茶屋さん等にいらっしゃる舞妓さん・芸妓さんに届けたのでしょうか(笑)。で、次は「螺鈿くずきり用器『善』」(1932=昭和7年)。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (45)くずきり用器.JPG
展示室3には、次のように『鍵・善・良・房・鍵紋』の葛切り用の器と「赤漆宝結文飾板:あかうるし たからむすびもん かざりいた」(1932-35=昭和7-10年)が一緒に展示されていました。
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現在、四条通の「鍵善良房」本店店頭に置かれている飾り板はレプリカのようです。
2021.07.12祇園祭の飾り (17).JPG
次は「寄せ書き『喜者開扉:きしゃかいび」(1957=昭和32年)。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (53)寄せ書き・喜者開扉.JPG
1957(昭和32)年、12代当主・今西善造の他界と戦争のため13年間休んでいた店舗の再開を祝って、 当時交流の深かった文化人等が連名で贈った書で、黒田辰秋の他、河井寛次郎・濱田庄司・楊悦孝等の名前が見えます。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (55)書・くづきり(複製).JPG
上の画像は、書「くずきり」(1956=昭和31年)の複製で、書の原本は河井寛次郎、額が黒田辰秋だそうです。本店にも飾られている「くずきり」の書は原本かどうか不明。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (74)螺鈿菓子重箱.JPG
上は「螺鈿菓子重箱」(1938=昭和13年)の全体像。次が朱漆の中に日本鮑の螺鈿で「善」の文字の入った蓋部分。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (59)螺鈿菓子重箱.JPG
5段重ねの重箱なのですが、中は実際に菓子が入って見本として示すことができるよう、仕切りが付いています。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (61)螺鈿菓子重箱.JPG
次は「朱漆振出し」(1932=昭和7年)。振出しは金平糖等の小さな菓子を入れて、振り出して使う容器(茶道具)なのだそうです。知らんかった。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (66)朱漆振出し.JPG
行者橋は、最初「七味入れ」かと思いました(笑)。続いては「朱漆六角茶筒」(1932=昭和7年)。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (70)朱漆六角茶筒.JPG
何とも言えず、心和むフォルムです。そして、こちらは「螺鈿八角菓子重箱」1933=昭和8年)。焼き物(陶磁器)と見紛う感じでした。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (71)螺鈿八角重箱.JPG
朱漆の赤は「鍵善良房」カラーなのだそうですが、螺鈿の虹色が実に美しく、「正倉院の御物です」と言われたら納得しそう(笑)。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (75)螺鈿八角菓子重箱.JPG
螺鈿の「くずきり用器」をはじめ重箱等、実際に使用されていたそうです。なお、12代目今西善造が黒田辰秋に最初に制作依頼した「拭漆欅大飾棚」は、今も四条通の本店に据えられています。次からは、展示室2と展示室3の間の様子。
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上の画像ガラス戸の木枠の上には牛らしき焼き物が。
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また、上の画像には写っていないのですが、右手前に鉢が。
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良く観ると、青銅らしい鉢には龍の彫刻が。
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真ん中には黒田辰秋関係の著作物が並んでいたのですが、左手の壁には小さな棚が。
2021.06.25黒田辰秋と鍵善良房  (81).JPG
上の写真は良い画像を撮影できなかったので割愛。棚の上の置物がこちら。鳥なのですが、紐を咥(くわ)えています。
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牛も龍の鳥も黒田辰秋の作品では無い気がしますが、詳細不明。ということで、黒田辰秋が腕を振るって「鍵善良房」のために制作した1階・2階に展示された様々な作品は、どれも本当に素晴らしいものでした。
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帰り際、「ピンホールがあっても良いので、展示が終了したらポスターをいただけませんか」と受付の方にお願いしたら、ミュージアムショップ「Zplus」から新品のポスターを持って来て下さいました。「ZENBI」という素敵な美術館を建設して下さった15代当主・今西善也館長ともども感謝あるのみです(笑)。

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