本願寺伝道院:京都の近代建築№11。

堀川通に面する西本願寺の門の1つ、御影堂前の御影堂門をくぐって、そのまま堀川通を渡ると反対側に総門という門がポツンと立っています。さらにその道を進むと、数珠屋さんが続く街並みの先に赤煉瓦造りの建物が見えてくるのですが、これが本願寺伝道院です。
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ご覧の通りですが、行者橋はいつも「本願寺伝道院という名前の割には仏教的というよりイスラム的な建物だなぁ」と感じます。電線が鬱陶しいですが、道の角に立って正面から写すとこうなります。
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上の画像の左側が正面通、右が油小路通です。正面通から堀川通を臨むと、こうなります。奥の門が総門です。
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この建物は1912(明治45)年に、元々は「真宗信徒生命保険株式会社」の社屋として建てられたものです。で、柵にはこんな彫刻が…。
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建物全体の雰囲気に加え、この彫刻!明治から昭和初期の建築の勉強を少しでもすれば、直ちに設計者の見当がつきます。そうです、妖怪・怪獣好きの伊東忠太、その人です(施工は竹中工務店)。これは明らかに象がモチーフになっていると思いますが、羽があります。
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こちらは何でしょう。顔だけ見れば鰐か龍のように思えますが、4つ足です。ライオンとも違う感じですが。
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東京・築地本願寺も伊東忠太の設計ですが、あの建物も仏教的というよりインド的です。仏教発祥のことを考えると正しいのでしょうが。本願寺伝道院は1階が赤煉瓦1色で割合大人しいのですが、2階と屋上のドーム等はかなりゴテゴテと装飾過剰です。
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上のドームの画像を良く見ると、細部は寺院のようです。次のトンガリ帽子近辺の飾りは、また独特の意匠です。
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背中側から見た様子も、またユニークです。
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アラビア的というかイスラム的というか、どうにも的確な表現が見つかりません(笑)。上の画像・左の塔屋はなんでしょう。
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ということで、伊東忠太の面目躍如という建物です。なお、伊東忠太は平安神宮にも関わっていますが、京都で設計した建物としては、(大雲院)祇園閣(こちらをご参照下さい)が知られています。東京では築地本願寺の他、大倉集古館・東京都慰霊堂本堂(旧・震災祈念堂)・靖国神社遊就館・湯島聖堂があります。

蛇足:「真宗信徒生命保険株式会社」は、西本願寺を大株主とする1895(明治28)年に設立された生命保険会社で、その後紆余曲折を経て、戦後は東京生命相互会社として存続。ですが、2001(平成13)年に経営破綻し、同年T&Dフィナンシャル生命株式会社として再建されて、現在に至っているそうです。

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