包勝一條流奉納式包丁@得浄明院。

少し日時が遡りますが、5月13日に得浄明院(とくじょうみょういん)で行われた「包勝一條流奉納式包丁:ほうしょういちじょうりゅう ほうのうしきほうちょう」の様子を。まずは、完成して奉納された“一初と紋章瓜”(左)と“豆腐の式包丁”(右)です。
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得浄明院は、知恩院の境内の中と言っていい場所にある信州善光寺の京都別院の尼寺で、普段は非公開なのですが、一初(いちはつ)の咲く時期だけ有料(500円)で公開されます。こちらが知恩院内の華頂通(かちょうどおり)に面した入り口。
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上の画像左は京都華頂大学・華頂短期大学、右は華頂女子中学高等学校の建物です。で、何故、善光寺の別院が知恩院内にあるかは“補足”で説明します。次の画像は、奉納式包丁の後半時点での様子。右の建物が本堂。
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以前に山蔭神社での生間流(いかまりゅう)の様子(こちらをご参照下さい)等をUPしたことがありますが、式包丁は俎(まないた)上の食材を直接手を一切触れることなく、包丁と真魚箸(まなばし:先の尖った長い鉄製の箸)だけを使って華麗にさばいて盛り付ける儀式ですね。
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上の画像は、蝋燭を点ける(燭光の儀:しょっこうのぎ)・鈴で邪気を払う・俎上の絹布を取る(お絹取りの儀)等の準備を終えて、披露された“一初と紋章瓜”の途中の様子。ここ得浄明院での包勝一條流奉納式包丁は魚介類を使いません。なお、担当は「三木半旅館」の料理長・小笹貴夫氏。
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で、上の画像のように南瓜に包丁が入り、次々と大小に切り分けていきます。
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切り分け終わると、助手の方が盆を差し出し、小笹氏が少しずつ形を整えて南瓜を盛り付けていく訳ですね。
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最後に一初を添えて完成です。ちなみにこの得浄明院は一初(アヤメの類で一番先に咲くので、その名がありますね)で有名なお寺です。
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次の画像は、少し後の時点で近くに持って来て下さったので撮影したものです。菊と水(山かな:笑)の紋章のようになっていますね。
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次からは後半戦の“豆腐の式包丁”。担当は包勝一條流家元「京とみ」の店主・庖勝兼道氏。この奉納式包丁は2012(平成24)年から始まったそうですが、お寺さんなので殺生を避けて生ものを使わないのだとかで、豆腐はずっと続いているそうです。
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眼鏡をはずし、襷(で良いのかな)で装束の袖を収めた庖勝兼道が豆腐に包丁を入れます。
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豆腐を異なる幅に切り分けていった後、あらっ、斜めに包丁が…。
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すべて切り分けると、お盆に盛り付けるのですが、こちらは文字を形作っていく訳です。
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最初、“祝”かなと思ったのですが、これはどう見ても“福”ですね。
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続いて、斜めに小さく切った豆腐を配置していったので、“笹”か”と思ったですが違いました。これは“笑”ですね。
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こちらも近くまで持って来て下さいました。確かに“福笑”です。
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出来上がった“一初と紋章瓜”(左)と“豆腐の式包丁”を本殿手前にある白天社に奉納されました。ちなみに、白天社は白天龍王・白女大明神を祀る芸能の神様だとか。知りませんでした。
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ということで、比較的珍しいので、画像を多くUPしてみました。包勝一條流の式包丁は一昨年、“京の七夕”の時に公開されたことがあったのですが、見逃していたので念願が叶いました。

補足:得浄明院の開山は、誓圓尼(せいえんに)さんという尼さんです。誓圓尼さんは伏見宮邦家親王の第3王女で明治天皇の叔母にあたる、信州善光寺大本願117世で、明治の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の流れの中で、皇族の僧尼に還俗が要請された時にもそれを拒否したそうです。

で、1882(明治15)年に知恩院が誓圓尼さんにお寺の寄進を申し出て、1894(明治27)年に、兄である知恩院宮尊超入道親王(そんちょうにゅうどうしんのう=華頂宮)の御殿を受け継いで、尼寺(信州善光寺京都別院)として創建されたのが、得浄明院という訳です。ちなみに、現在のご住職は伏見静寛さんという尼さんです。血筋!

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この記事へのコメント

miyasan
2016年05月19日 17:20
それにしても京都はブログネタには事欠かない場所ですね。
一生掛かっても楽しめるのが素晴らしいです。
自分は何時まで通えるのか??
こうして様々なイベントを知りつつ行くしか無いですね。。
行者橋 渡
2016年05月20日 00:22
miyasan様、コメント有難うございます。仰る通り、次々と湧いて出てくるような気分になります。色々な意味で奥の深い風土・歴史・場所・人々・生活ということなのだろうと思いますが。
沙都
2016年05月20日 18:44
得浄明院の式包丁には行った事はありませんので参考になります。
一條流さんは、岡崎神社例祭の時にされている団体と同じですね。
岡崎神社さんでは6題ほどされていますが、
こちらでは何題あったのでしょうか…

「お寺さんなので殺生を避けて生ものを使わないのだとか」
たぶんこれは流派の考え方だと思います。
以前、総持寺(茨木市)では山蔭流の方々は魚を使ってましたから。
行者橋 渡
2016年05月21日 12:33
沙都様、コメント有難うございます。ご指摘の通り、岡崎神社例祭にも式包丁を披露されているようです。得浄明院では、UPした2つのみでした。未確認ですが、殺生を避けているのは、流派というよりお寺さんの方の考えかもしれません。