西本願寺・飛雲閣、2日間計7時間限定の屋根葺替記念特別公開!

西本願寺では2017(平成29)年7月から飛雲閣の修復事業が進行中なのですが、「この度、杮葺(こけらぶき:以下、こけら葺き)の屋根の葺替えが完了したので2日間だけ特別公開します!」という情報を得たので、光線の具合の良い22日午後にチャリチャリ。で、最初の画像は屋根が実に美しく輝いているちらを。
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こけら葺きというのは、椹(サワラ:*参照)の木を3mm程の厚さにへいだ(剥いだ・折いだ)薄板を大体3cmの間隔で葺き重ね、竹釘を打ち付けて留め、屋根を葺いていく技法です。次の大写しをご覧下さい。
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要するに木目(年輪)に沿って薄く剥がした椹を使った板葺きなのですが、上の画像のような曲線のある場所は、かなり優れた技術が必要でしょう。で、飛雲閣は3階建てなのですが、上から順に。
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摘星楼(てきせいろう)と呼ばれる3階の内部は見られませんが、広さ8畳。後から1畳分の出床が造られたとか。長押が無く低い天井は、板を平面に並べて張っただけの簡素な鏡天井だそうです。別角度から。
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草庵風のデザインとは言え、摘星楼は物見台ですね。星を観ることもあったのでしょうか。上の画像下には2階・歌仙の間の東側(下段)が写っています。唐破風屋根のカーブがとても優美な正面から。
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この歌仙の間は東側(向かって左)が16畳半の下段、西側(向かって右)が8畳の上段だそうで、下段3方向の板戸の内外には御簾の下に座る三十六歌仙の像が描かれています。上の画像左から大写し。
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実は、現在は三十四歌仙しか残っていないそうですが、どの人物が誰なのか、行者橋には不明です。続いて中央。板戸が左右より縦長で、幅も若干狭いと思います。
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百人一首の絵札と見くらべば人物名が特定できるのでしょうが…。下段の間は金具で飾られた格天井や格調高い長押で御殿風の趣きがあるそうです。そして右側。
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上の画像左は女性ですね。また右側に上段の障子(仮の物だと思います)がチラッと写っていますが、1階部分を含めて眺めるとこうなります。
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なお、2階の内部は西本願寺のHPで拝見できます。西側にも軒唐破風屋根があり、その下には出入りが可能な飾り金具の付いた扉(か引き戸)のようなものが見えるのですが、詳細不明です。
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西側にも勾欄があるので、出られるはず(と邪推:笑)。そして1階ですが、またまた正面からの全体像を。よく知られていることですが、飛雲閣は左右非対称な点に特徴があります。
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左の唐破風屋根、右の千鳥破風屋根が実に見事なコントラストを構成していて、惚れ惚れします。右から見ていくことにしますが、こちらが千鳥破風屋根部分。
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葺き替えたこけら葺き画午後の光を浴びて、とても美しい!次は別角度からの画像。本屋根との接合部分等、丁寧な技が必要なんだろうなぁと思ってしまいます。
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そして、唐破風屋根部分。ここが1階の中門に相当する場所で、滄浪池(そうろうち:子の日は水が抜かれています)から船で直接建物内に入る形式の船入の間があります。
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上の画像左奥は隣接する興正寺の瓦屋根。唐破風屋根の頂点近くを大写しすると、こけら葺きの細かな細工が見て取れます。
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1階は船入の間・上段・上々段を設けた主室の招賢殿・下段の八景の間があるそうです。もう1枚、別角度から。美しい曲線に、またまた惚れ惚れとしてしまいます。次の画像左は茶室・憶昔席(いくじゃくせき)。
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飛雲閣は聚楽第の遺構と言われてきたのですが、現在はほぼ否定されていて、正確な建築年代は不明です。しかし、憶昔席は1795(寛永7)年に茶人・藪内竹陰らが増築したと考えられています。次は大写し。
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藪内竹陰は西本願寺の茶道師家・藪内家の6代比老斎竹陰。内部は3畳半の本席に付書院と相伴席があるとか。飛雲閣は西本願寺西南隅の滴翠園(てきすいえん)内にあり、普段は高い塀越しにしか見えません。
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今回の特別公開は5月20日10時から13時、21日11時30分から15時30分という変則的で極めて短時間だったのですが、両日に宗祖降誕祭が催されたのでそれに合わせたと考えられます。
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修復作業の完了予定は2020(令和2)3月。完成後も原則非公開ですが、時々今回同様、外観のみ特別公開されますし、これまで毎年5月21日には室内に茶席(有料)が設けられてきたそうですので、有料で茶室利用ということがあるらしい(未確認)というお話でした。

:椹(サワラ)はヒノキ科ヒノキ属の1種で針葉樹。 檜(ヒノキ)よりも成長が早く、木質が柔らかい上に水湿に強く臭いも無い。従って、柱等には不適だが、飯櫃・柄杓・桶等に適している。葉が食品(松茸・魚類)の下に敷くのは殺菌作用があるため。香りを楽しむの檜風呂も含め、適材適所とは正にこのこと

江戸時代に尾張藩が伐採を禁止した木曽谷の、檜(ヒノキ)・翌檜(アスナロ・アスヒ)・高野槇(コウヤマキ)・黒檜(クロベ・ネズコ:木偏に鼠とも)・椹(サワラ)の5種類の常緑針葉樹林を“木曽五木(きそごぼく)と言いますが、今回の修復に使用されたのも長野県で採れた椹だそうです。

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