浄蔵貴所像を拝見し、猿の形の蒟蒻をいただく@八坂庚申堂:久し振りに京都の行事を。

5月15日に京都府の緊急事態措置が(一部)緩和され、東山図書館で予約していた本の貸出しが可能になったので、17日に受取りがてら近くの八坂庚申堂(大黒山金剛寺庚申堂。以下、庚申堂)に。以前に何回かUPしているのですが、今回は開基・浄蔵貴所の像から。
2020.05.17 八坂の庚申堂(金剛寺)(32).JPG


東大路松原交差点から2筋北の八坂通を、八坂の塔(法観寺)を真っ正面に見ながら東に直進すると、塔の手前右に次の画像の庚申堂があります。塔はわざと傾いた形で撮影しました(笑)。
2020.05.17 八坂の庚申堂(金剛寺)(2).JPG
伝承では、948(天暦2)年に八坂の塔が北西(=御所の方向・画像とは反対方向)に傾いて宮中で不安が広まったため、時の村上天皇が浄蔵貴所に塔を元に戻すよう命じると、法力を持つ彼の祈祷で一晩で塔は真っ直ぐに戻ったとか(*蛇足参照)。次は正面。
2020.05.17 八坂の庚申堂(金剛寺)(39).JPG
門の屋根の上には庚申さんのお使いの猿の「見ざる・聞かざる・言わざる」が。画像左側の小堂には賓頭盧尊者(びんづるそんじゃ=おびんづるさん)の木像があります。周囲は「くくり猿」がビッシリ。
2020.05.17 八坂の庚申堂(金剛寺)(28).JPG
「くくり猿」は人間の持つ様々な欲望を庚申さんによって括りつけたものとされます。次は本堂正面。手前のお線香を立てる香炉の脚にも「三猿」が、また左右には大量の「くくり猿」が。
2020.05.17 八坂の庚申堂(金剛寺)(5).JPG
参拝をしていると、中から「どうぞ上がって下さい。写真もOKですよ」との声がかかったので、堂内で遠慮なく(笑)。上の赤い幕は「くくり猿」文様。入口の門に掛かっていた赤紫の幕にもありましたね。
2020.05.17 八坂の庚申堂(金剛寺)(29).JPG
中央に青面金剛(しょうめんこんごう)像。中国の道教思想に由来する仏教尊像で、三眼六臂で法輪・弓・矢・剣・錫杖・ショケラ(人間)を持つ忿怒相で、脇に2童子、手前に「三猿」が配されています。
2020.05.17 八坂の庚申堂(金剛寺)(7).JPG
飛鳥時代に秦(はた)氏の守り神として中国から伝来したとされる青面金剛は、庚申講の本尊として三尸(さんし)を押さえる神とされます。次は左側。手前に「聞かざる・見ざる」、奥に聖徳太子像も。
2020.05.17 八坂の庚申堂(金剛寺)(35).JPG
次は右。奥に不動明王像・大黒天像・浄蔵貴所像、手前に「言わざる」。この浄蔵貴所像が最初の画像です。彼は960(天徳4)年に一般の人も青面金剛に参詣できるようにと庚申堂を創建したとされます。
2020.05.17 八坂の庚申堂(金剛寺)(6).JPG
庚申信仰は、年に6回ある庚申の日前夜、眠っている人間の体内の三尸の虫が外に出て、その人の罪を帝釈天に告げて寿命を縮めるので、当夜は起きて夜を明かして三尸の虫を封じる(庚申待ち)という民間信仰です。
2020.05.17 八坂の庚申堂(金剛寺)(36).JPG
庚申堂では、病気平癒の「蒟蒻(こんにゃく)封じ祈祷」も有名。本来は病名を書いた紙人形を蒟蒻に貼って奉書紙に包み天井に吊るすと病が抜けるとされます。浄蔵貴所が父(三善清行・みよし きよゆき)の病を蒟蒻で治したことから伝えられたとか。
2020.05.17 八坂の庚申堂(金剛寺)(16).JPG
行者橋が訪れた日は庚申の日でしたので、猿形に刳り貫いた蒟蒻炊きをいただき、仕来り通り、黙って北を向いて食べました(笑)。浄蔵貴所は祇園祭の「山伏山」のご神体としても知られます。また、父の死の報に接した浄蔵貴所は熊野から都に帰り、一条戻橋で父の葬列と出会った時、祈祷すると法力で父が一時ながら蘇生したという逸話でも有名。

蛇足:八坂の塔が傾いた理由の異説も。実はこの塔を建てた大工の棟梁が、頼りない息子を心配するあまり、塔の中心の柱に庚申さん(詳細不明)の入った箱を置いて、わざと塔が徐々に傾くように仕掛けて亡くなります。後に、塔が傾いたことを知った息子は「自分が直す」と申し出て、父の遺言に従って庚申さんの入った箱を取り除いて塔の傾きを直し、一生困らないだけの恩賞を得た、とか。その庚申さんは法観寺の境内にお堂を建て安置されたそうですが、考えてみればトンデモナイ話です。八坂庚申堂は、昔、法観寺の一部だったと思いますが、このエピソードのお堂かどうかは未確認です。

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